結ンデ開イタ羅刹ノ息子
　元ネタ「結ンデ開イテ羅刹ト娘」



「さぁさぁ、今宵も無礼講
　本来ならば居てはいけない
　そんな我等が行い成すのは
　純真無垢にて罪にはならぬ
　改悪捏造に御座います」


　片目を無くした龍が哂う
「ソコ行ク御嬢サン遊ビマショウ」
　笑顔に騙され可愛子ちゃん
　ふらふらと夜道へ迷い込む

　や　や　や　や　厭　厭　厭

　列成す愚者の群れが叫ぶ
「我等ノ行ク末ヲ見テオクレ」
　仕方なく札をめくり続け
　変わらない未来に飽いて来る


　腹に潜む魑魅魍魎
　泣いたのは鬼の子か

　やい　やい　奪いに行こうか
　やい　やい　遊べや遊べ
　らい　らい　鬼子が笑って
　らい　らい　羅刹の息子

　一つ二つ三つで　股開いて
　五つ六つ七つで　その顔上に
　桃の樹は豊作　宙ぶらりんりん
　皆皆皆で　食べましょう


「下らぬ余興と思うなかれ、魂抜かれても知らないよ？」


　下賤な親族集まり来る
　手を擦り合わせてる蝿のよう
「私ノ娘ハイカガデショウ？」
　阿婆擦れを欲する訳がない


　や　や　や　や　厭　厭　厭

　勝って悲しい花いちもんめ
　次々と死にゆく親姉妹（きょうだい）
　最後に残った獣の王
　誰にも知られずに泣いている


　やい　やい　戦をしようか
　やい　やい　殺せや殺せ
　らい　らい　裏切り上等
　らい　らい　羅刹の骸

　三つ二つ一つで　骨を砕いて
　七つ八つ十で　また殺して
　愛しさに耐えかね　傷跡背負い
　鬼は空けた棺を閉めて行く


　鬼子の魂百までと？（鬼子の魂百までと！）
　物の怪綺麗に微笑んで？（物の怪綺麗に微笑んで！）
　獣の王者は残虐だ？（獣の王者は残虐だ！）

　他人の不幸を　食い荒らせ！


　 やい　やい　血筋を絶とうか？
　やい　やい　血潮を啜れ
　らい　らい　心臓が一つ
　らい　らい　羅刹の息子


　一つ二つ三つで　刃をかざし
　五つ六つ七つで　喉笛抉れ
　鬼が泣いてしまわぬ　内にさよなら
　一つ二つ三つで　また今度


「悪鬼羅刹の如く　御霊を猛らせ、
　暴れ楽しみこの世を生きる。
　全ては夢幻で御座います。
　真実など、いかほどのものなのでしょうか？

　さて何の話をしていましたっけ？
　まぁ、こんな与太話も終わりにしましょう。

　では、お手を拝借」


　一つ二つ三つで　また遊ぼう！