『ルーク』様と使用人達。シリーズ
−『ルーク』様と使用人達。1
「ルーク様、おくつろぎの所失礼致します」
「別にいいさ。髪の手入れしてるだけだし。で、どうした?」
「ナタリア王女殿下からお菓子が届いております」
「……」
「……いかが致しましょう?」
「……手作りか?」
「ナタリア王女殿下、お手製で御座います。殿下の側近でいらっしゃるカペラ様が、当家へ直接お届
け下さいました」
「……つまり毒見は駄目か」
「いけません」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……南無三!」
「!」
「ルーク様!」
実はガイもいました。(最後の台詞)
王女が自ら作り、最も信頼を置く臣下の手で届けさせたので、毒見と称してガイに食わせる事が出
来ませんでした。
王女を愛しているが、それとこれとは話が別な『ルーク』様でした。
カペラ
ナタリア付きの秘書官。王女のスケジュールを全て把握し、管理、運営している人です。王族並み
に多忙な御人。
−『ルーク』様と使用人達。2
「チェリー! チェリッシュゥゥゥゥゥ!」
「どうなさいましたルーク様? 呼び鈴を振り回しては危のうございます」
「医者だ! 医者を呼べ! ヘルガー先生を呼べえええええええ!」
「ルーク様お怪我でも?!」
「ガイが俺を庇ってNハザードに!」
「! 直ちにお呼び致します! リチェート、ガイを部屋のベッドへ運んで下さい!」
「承知致しました!」
「うああああガイイイイイイイ死ぬなよおおおおお!」
『ルーク』が口に含む寸前、横から食らいついたガイ。身を挺して主を守りました。
Nハザードとは、ファブレ公爵家で使われる隠語。ナタリアの料理で起きた食中毒や毒殺未遂の事
を云います。
チェリッシュ(チェリー)
『ルーク』付きのメイド。「自意識過剰〜」で『ルーク』を呼びに来たメイドです。
リチェート
『ルーク』付きの従僕(フットマン)。「自意識過剰〜」で『ルーク』に椅子を引いていた従僕とは
また別の人です。
ヘルガー
ファブレ公爵家付き医師の中で最高位の先生。常に屋敷内にいる。Nハザードは、彼が呼ばれるく
らいの事態。
−『ルーク』様と使用人達。3
「今回は比較的軽いですね」
「マジっすか先生! だって白眼剥いて泡吹いて倒れましたよ?!」
「胃薬でなんとかなりますし、明日には食事も摂れますから」
「おお、確かにマシな方だ……。この前リチェが毒見した後は、一週間流動食になったもんな」
「……思い出させないで下さいルーク様……」
「しかしこの食べ物、検査しても毒素が検出されないんですよね。材料も普通に食べれる物ですし、
手順に問題がある訳でなし」
「それが何でこうなるんすか……」
「私にもとんと見当がつきません……。ベルケンドの科学者に任せてみてはいかがですか?」
「新しい毒殺方法が確立されそうですわね、ルーク様」
「ある意味才能なんかなぁ、此れ……」
「しかしルーク様、ナタリア王女殿下へのご返答はいかがなさいます?」
「俺食ってないしなぁ……。まぁ、美味かったって云っとくよ」
寝込むガイの側で、怖い話を軽くする『ルーク』様と使用人達。
お客様がいない、ラムダスの目がない時には軽く世間話をします。ラムダスは『ルーク』が使用人
などと世間話する事を嫌うので皆自重してるのです。
ナタリアは手作り料理を『ルーク』へ渡す度、感想を求めます。嫌がらせではありません、純粋に
愛する人から手料理の感想を聞きたいのです。
−『ルーク』様とお姫様。
「ナタリア殿下、先日はお菓子を有難うございます」
「まぁルーク。食べて下さいましたのね」
「はい、とても美味しく」
「相変わらず笑顔で嘘を吐く方ですこと」
「え?」
「本当は食べていらっしゃらないのでしょう?」
「……」
「ね?」
「……申し訳ありません……」
「ほほほ……。正直は美徳でしてよルーク。許して差し上げます」
「有難う御座います。……どうやって見破られたのですか?」
「簡単ですわ。……――貴方、元気そうですもの」
「あれ? それってどう云う事ナタリア?」
「おほほほほほ」
「ナタリアー?!」
ナタリア王女殿下、計画的犯行疑惑浮上。思わず素になっちゃいました『ルーク』様。
−『ルーク』様と使用人達。4
「やばい。次は食わないと不敬罪だ」
「心中お察しいたしますルーク様……」
「ガイ……。お前、一日で随分とやつれて……」
「亡くなった姉上に会いました。まだこっちに来てはいけませんと蹴り戻されましたよ」
「軽度でそれかよ……。大丈夫かなぁ、俺死なないかなぁ?!」
「ルーク様は胃腸が丈夫ですから、寝込むだけだと思います」
「むしろルー様が心配ですわ。ルーク様、お食べになる際ルー様に押し付けるのはお止しになって下
さいましね。お可哀想です」
「俺は可哀想じゃねぇってか!」
「ルーク様はお兄様じゃ御座いませんか」
「うう、そう来たか」
「ルー様は折れたらぽっくり死にそうですが、ルーク様は図太く生きそうですしね」
「不敬罪で牢屋ぶっ込むぞリチェエエエエエ!」
「宜しゅうございます。その代わり、こちらのケーキはお一人でお食べ下さいませ」
「ごめん、俺が悪かった。一人にしないで!」
「ルーク様、僭越ながら俺が……」
「お前は駄目だ! 二日連続で食って本当に死んだらどうすんだ!」
「すっかり毒物扱いですわ」
和気藹々な『ルーク』様と使用人達でした。屋敷内では基本、この四人でつるんでます。これから
もちょこちょこ書きたいメンバーです。
