・狙う、狙われる関係。


「すみません、臨也さん。お聞きしたい事があるんですが」
「何々？　帝人君の質問になら格安で答えてあげるよ！」
「あの、静雄さんについて聞きたいんですけど」
「あ、ごめん。テンション下がったからまた今度」
「ボールペンを■■■に刺されるのと僕の質問に答えるの、どっちがいいですか？」
「あ、うん。ごめんなさい。そのプレイはちょっと……。答える、答えるからボールペンしまって！」
「じゃぁお聞きしますが」
「うん……」
「静雄さんって童貞ですか？」
「え？！　な、何でそんな質問すんの？！　ちょ、理解が追いつかないんだけど！」
「貴方の意見は聞いてません。静雄さんは童貞ですか、非童貞ですか。どっちですか！」
「えー、童貞に決まってんじゃん。あの馬鹿力でちょっとした事でぶっつんする喧嘩人形だよ？
女の子が寄って来る訳ないし、寄って来たとしてもすぐビビって逃げちゃうって。しかも静ちゃんっ
て意外と奥手でさぁ。恋愛に関して大分慎重になるタイプみたいだから。付き合ってすぐ致しちゃ
うタイプじゃないっつーの？　だから食い逃し続けて幾星霜、未だに童貞って云う」
「なるほど。よく分かりました。で、情報料はお幾らですか？」
「んー、そうだなぁ。帝人君からのほっぺにチュ、で」
「そんなにボールペンでケツ掘られたいんですか」
「あ、ごめんなさい。ちょっと調子に乗りました。待って！　脱がそうとしないで！　ごめん！　待っ
て！　あ、そ、そうだ。どうしてそんな事知りたがるのか教えて！　それでいいから！」
「静雄さんの初めてを狙っているからですが、何か？」
「え、えぇー……。何それ……」
「静雄さんの童貞が欲しかったんです。だから実際はどうなのか確かめたくて……。でも本人に聞
く訳にはいかないでしょう？　怒られちゃいますから」
「そりゃぁ静ちゃん怒るだろうねぇ……。え、何、帝人君ったら静ちゃん食うつもりなの？　逆レ■
プ？　逆レ■プなの？」
「やだな、合意の上でするに決まってるじゃないですか。静雄さん相手に無理矢理とか……そん
な大それた事出来ませんよ……。嫌われたらどうするんです？」
「え、えぇー……？　俺には結構無茶やらかすよね？」
「だって別に臨也さんに嫌われたところで、痛くも痒くもないですもん」
「あれ、涙出て来たこれ」


　【配布元：Abandon】