・無意識な間接キス。


『落ち着け、落ち着くんだ帝人! お題をよく見るんだ!
「いやだなセルティさん。僕は此れ以上にないくらい落ち着いてますよ素数だって余裕で数えられま
すだからそのマグカップをこちらに渡して下さい」
『落ち着いてない! いいか、帝人。よく考えろ。それはアウトだ。アウトなんだよ!
「大丈夫ですよ、僕がやればセウトです」
『それって結局はアウトだよね?!』

某死球Pよりかはセーフですよ! さぁ、早くマグカップをこちらに! 早くしないと乾いてしまいま
すから!」
『その思考がすでにアウトだってば! とにかく、これは洗うからね!』
「いやあああああああ! 駄目です駄目ですお願いですから一舐めだけでもいいですからああああ!」
『帝人が気持ち悪い!』

「……二人とも、さっきから何やってるの?」
『新羅!』「新羅さん!」
「ほら、帝人君は怪我人だから暴れちゃ駄目だよ? セルティも優しくしたげて」
「だってセルティさんが意地悪云うんです!」
「え、セルティに意地悪されるなんてそんないちゃラブっぽくて羨ましい、じゃなくて、どう云う事
だいセルティ?」
本音を駄々漏らすな。……帝人がこのマグカップをよこせとうるさくて』
「別にマグカップくらいあげるよ? どうせそれ、お客様用だし」
『違うんだ新羅! よく見ろ! 帝人はこの静雄が使用した後のマグカップが欲しいと云うんだ!』
「だってこんなチャンス滅多にないじゃないですかああ」
「なるほど……。事情はわかったよ。つまり間接キッス狙いだね帝人君」
『流石新羅! この程度の情報で分かるとは……!』
「ふふ。僕も伊達に二十年片想いしていないさ。帝人君の気持ちはよく分かる!
『……ん?』
「さぁ、このマグカップは持って行きなさい……」
「あ、有難うございます! 有難うございます、新羅さん! このご恩は必ず!」
『ちょっと待てええええええええ! 何してんだ新羅何してんだあああああああッッ!』
「御免よセルティ。この件に関しては、僕は帝人君の味方だ!」
『何だって?!』
「僕もセルティと間接的にアレやソレやしたくて、君の座った後の椅子に頬ずりしたり君が入った
後の風呂の湯を飲んだり君が使った後のタオルの匂いをくんかくんか嗅いだりしたからね!

『新羅気持ち悪い! 気持ち悪いッッ!
「二回も云った!」
「帝人君より多く云って貰えたよ、やったね!
『お前は不死鳥か!』


 【配布元:Abandon】